100年前に作られた!? 西嶼餌砲の秘密
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西嶼にある灯台を目指す高原のような道の途中、左側の草原のなかに「西嶼餌砲(xī yŭ ĕr pào|シーユー アーパオ)」と呼ばれる軍事遺跡があります。餌砲は、英語ではFake Cannon(=偽物の大砲)と呼ばれており、その名の通りニセモノの大砲のことです。
未だにほぼ完全な形をしていることに注目
西嶼餌砲はコンクリートで作られており、八角形の台座から2本の砲身が伸びています。台座の大きさは5.35mで、砲身はそれよりも長い6.13メートルです。パッと見ると幼稚なつくりに思えるかもしれませんが、終戦から70年以上も経つのにまっすぐに伸びた砲身が未だに崩れていないところに注目してください。
現在のコンクリートはきちんとしたメンテナンスをすれば科学的には100年もつと言われていますが、一般的には鉄筋コンクリートのマンションの寿命は37年とされています。一方、この餌砲は潮風の当たる吹きさらしの中でろくなメンテナンスもされていないのに70年以上もこの姿のまま。そう考えると、当時の建設技術がいかに高かったのかに驚かずにはいられません。
新たな事実が発覚。本当は第1次世界大戦直後に作られた!?
餌砲はここ西嶼のほかに「五徳」にもあり、どちらも第二次世界大戦のときに敵軍をあざむき、敵軍の火薬を無駄に消費させるために日本軍が作った大砲だと考えられてきました。実際、西嶼餌砲にある掲示板にはそのような説明が書かれています。
しかし、最新の研究によって新たな事実が分かりました。それは、餌砲は第二次世界大戦の際に建設されたものでも、敵にわざと攻撃させるためでもなかったというものです。
歴史をさかのぼること実に95年。第1次世界大戦が終結した後の1921年11月11日から1922年2月6日までの間、アメリカのワシントンD.C.で当時の連合5カ国(アメリカ・イギリス・日本・フランス・イタリア)が集まりワシントン会議が開かれました。
この会議のなかで「ワシントン海軍軍縮条約」という海軍の軍縮を規定する条約が結ばれました。この条約には、各国海軍の戦艦の保有数を制限したり、戦艦に載せる大砲の規格を制限するなどの内容が盛り込まれ、日本海軍もそれに従わなければならなくなりました。
その時、日本海軍は大砲を戦艦から下ろさなかったのに、下ろしたふりをするために大砲の形をした建造物を澎湖(ポンフー)に建設したというのです。
確かに、西嶼餌砲も五徳餌砲もよく考えると陸上に配備される大砲とはまったく形状が異なります。それどころか、どちらも戦艦に載せる大砲と同じ形状、大きさをしていますから、この説の方が事実だと考えられます。実際にフェイクの大砲として作られた餌砲も存在したため、それと混同されてしまったようです。
100年近く西嶼にたたずむ軍事遺跡だった
ということは…、なんとこのコンクリート製のニセモノの大砲は100年近くここにあるということですね。その場しのぎの物なのだからもっと適当に作ってもよかったでしょうに、日本海軍は真面目だったんですねえ。…って、みんなで決めた取り決めを破ったわけですから、全然真面目ではないゾ∑(゚Д゚)
西嶼餌砲の湖の縁にある怖すぎる看板
澎湖(ポンフー)は初めて世界史に登場した1604年からずっと海の要所として各国に侵略されてきました。オランダ、フランス、鄭成功、清、そして日本…。
その時々の人々は苦しい思いをしてきたと思いますが、平和になった今では過去の人々が遺した貴重な歴史の証人として当時の物語を雄弁と語ってくれています。
このような軍事遺跡は澎湖のいたるところにあり、整備されているものもあれば未整備のまま放置されているものもあります。商業的には「台湾のハワイ」と謳われることの多い澎湖ですが、こうした史跡にも注目してみるとより深い体験ができますよ。
ラブポンフーでは、お客様の好みに合わせたプライベートガイドを専門に行なっております。澎湖の歴史、もっと知りたい! そんなお客様にもピッタリの旅をご提案いたします。
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