澎湖(ポンフー)の天気と旅行時のアドバイス

澎湖(ポンフー)は別名「風島」と呼ばれるほど風が強い島ですが、実は風が強いのは冬の間だけ。

もちろん、周りを海に囲まれているので一年を通じて風がありますが、夏の風は心地よい南風なので朝夕はとても過ごしやすい天気になります。

今回は、そんな澎湖の天気と季節別のアドバイスをご紹介します。

澎湖(ポンフー)の天気の特徴

澎湖の天気の特徴を一言で表すと、夏は晴れが多くて暑く、冬は風が強く寒いということになります。

全体的に雨は少なく、平均年間降水量は1000ミリほどで、台湾にある観測地点の中で一番雨が少ない地域です。

これは東京都の年間降水量1800ミリの半分に近い数値ですし、台北の2400ミリと比較するといかに少ないかがもっとよく分かるかと思います。

また、その降水量のほとんどが夏の台風などでもたらされるものなので、冬に雨が降ることはほとんどありません。

澎湖(ポンフー)の冬の風はどれくらいすごいの?

澎湖(ポンフー)の風が強い時期は冬の間で、具体的には9月の中秋を過ぎてから旧正月になるまでの間です。

これは澎湖では昔から言われていることなのですが、私達が2016年に引っ越してきてから今のところ、毎年本当に中秋を過ぎた日から風が強くなっています。

冬の間の平均的な風速は6メートルで、毎日これくらいの風が吹きますが、3日に1日くらいは風が弱い日があったりします。

ちなみにこれはあくまでも平均値なので、突風だと風速15メートル以上のものが日常的に吹きます。風速15メートルというのは時速にすると54キロですから、車と同じくらいのスピードの風が吹いているということです。

さらに、中国大陸から寒気団がやってくると風速17メートルものが吹き、瞬間最大風速は台風なみの風速30メートルにも達します。

これは時速100メートルを超えていますから、子どもなら飛ばされてもおかしくないかもしれませんね!

ちなみに風速6メートルだと体感温度は約6度下がります。一番気温が下がる1月の平均気温は16度くらいなので、体感温度は10度くらいになります。

ダイチ
南の島とは思えない気温ですよね。

冬は飛行機が欠航するって本当?

どこでそんなウワサが広まったのかは不明なのですが、よく「冬は風が強いから飛行機が欠航するんですよね?」と聞かれます。

が、冬に強風が理由で飛行機が欠航することはほぼありません

航空会社に問い合わせたところ、そんなことは少なくともこの数年は起こっていないということです。

ただし、台風の場合は別です。台風が近づいている時は飛行機は欠航になります

おそらく、冬は風が強いものの吹いてくる方向が一定であるのに対し、台風の場合はめちゃくちゃな方向から突風が吹くため欠航にせざるを得なくなるのだと思います。

また「船の方が欠航しにくいですか?」という質問を受けることもありますが、一般論として飛行機より船のほうが欠航しやすいです。

理由は単純で、風が強いと波が高くなって航海できなくなるからです。一方、飛行機は波が高くても関係ありません。

ただし、北海道のように霧が発生しやすい地域の場合は船の方が欠航しにくいというのは本当です。

また、夏は嘉義と台中と高雄の3地域から澎湖行きの船が出ていますが、冬は高雄からだけになります。

嘉義と台中の港までのアクセスもそれほど良くないので、澎湖に来られる場合は飛行機が無難です。

ルル
台風でも来ない限り、飛行機が欠航することはないと考えて大丈夫デス!

では、夏には風は吹かないの?

それじゃあ夏には風が吹かないのかと言うと、そうでもありませんが、冒頭で述べたように心地よい南風が吹きます。

とはいえ、ひとたび台風が訪れると猛烈な風にさらされます。冬はどんなに風が強いと言っても飛行機が欠航になることはないのですが、台風の時ばかりは欠航することがあります。

ですが幸運なことに、澎湖(ポンフー)は台湾本島の西側に位置しているため、台湾東海岸ほど強い台風が来ることはほとんどありません。

台湾には富士山を超える高さの山がそびえる「中央山脈」があり、これが台風の勢力を弱めるからです。しかしながら、強い台風が訪れて澎湖に深刻な被害を及ぼしたこともあります。

特に1986年の台風では澎湖に大規模な停電が起こしました。その時の教訓により、現在ではほとんどの電線は地下に埋められたため、停電はめったに起こりません。澎湖の空がずいぶんきれいに見えるのは、このように電線がないからなのです。

ダイチ
夏も風があるけど、そんなに強くないので気持ちいいです!

雨はどれくらい降るの? 旅行の時に雨だったらイヤなんだけど…

特徴でも紹介したとおり、澎湖(ポンフー)の降水量は台湾で一番少ない約1000ミリです。

それも台風の時にたくさん降ってその数字なので、台風が来ていなければ夏に雨が降る可能性はかなり低いとみて差し支えありません。

降ったとしても、ゲリラ豪雨的に一気に降ってすぐに晴れるパターンが多く一日中しとしとと雨が降ることは極めて珍しいです。

まあ、珍しいと言ってもたまたまそういう時に旅行に来られることになる場合もありますが…。

しかし、夏に澎湖に来て雨が降っていたらラッキーとも言えます。澎湖には高い山やビルが無いので日陰がほとんどありません。ですから多少雨が降って気温が下がったほうが過ごしやすいというものです。

ルル
晴れでも、雨でも、曇でもそれぞれにいいところがありますヨ!

澎湖(ポンフー)には水がないって本当?

地上から蒸発する水分は年間降水量よりも多い約1,600ミリのため、澎湖には水はほとんどないと言っても大げさではありません。

それでは、雨が降った時に澎湖の地表に残る水分はどれくらいなのでしょうか。

降水のうちおよそ40%は蒸発、36%は地表を流れて海に流出、16%は一度地下に吸収されるもののその後、海に流れていきます。なんと、92%の水は澎湖から流出してしまっているというわけです。

残りのわずか7%が地下水として留まり、最後に残った1%がダムに貯えられます。そのため、澎湖にはほとんど水がないと言えるのです。

ですから、澎湖の家庭で使われている水は海水を淡水化したものが一般的です。水道水は少し塩っぽく、水周りはこまめに水分を拭き取らないとすぐにサビてしまいます。

なので、お水が飲みたい時はスーパーやコンビニでミネラルウォーターを買うようにしましょう。スーパーで大きなボトルウォーターを買い、街中にあるガソリンスタンドならぬウォータースタンドで買うのも一つの方法。ウォータースタンドなら1リットル1元から購入できます。

ただし、ウォータースタンドの水でもそのまま飲むことは推奨されていませんので、心配な方は一度沸騰させてから飲みましょう。我が家でもそうしています。

ダイチ
お水はミネラルウォーターを飲みましょうね。

澎湖(ポンフー)の夏の天気

ということで、夏に澎湖(ポンフー)にいらっしゃる場合はそれほど雨の心配はしなくても結構です。その代わり日焼け対策をしっかりとしましょう!

澎湖には日陰がほとんどありません。市街地ならともかく、郊外に行くと陰に隠れられる場所がほぼ無くなりますので要注意です。

ルル
帽子・サングラス・長袖長ズボンまたは日焼け止めは必須アイテムですヨ!

ちなみに澎湖の女性の肌はすごく白いです。紫外線の強い日中はほとんど出かけないか、完全防備して出かけるからです。

それでは次に夏の平均気温を見てみましょう。

夏(4〜9月)の平均気温

4月:23.0度(最高:26.0度/最低:20.9度)
5月:25.7度(最高:28.8度/最低:23.7度)
6月:27.6度(最高:30.6度/最低:25.6度)
7月:28.7度(最高:32.0度/最低:26.6度)
8月:28.6度(最高:31.8度/最低:26.5度)
9月:27.8度(最高:30.7度/最低:25.9度)

夏でも意外と30度を超えることはありません。実は台北の気温と比べても気温は低いんです。

が、とにかく日差しを遮るものがないのと空気がきれいなのとで太陽の光がとても強く感じます。

澎湖(ポンフー)の冬の天気

実は冬に澎湖(ポンフー)に旅行に来られるのはあまりオススメできません。というのも、10月から3月まではほとんどの業者が休業になるので、いかにもリゾートアイランド!な体験をすることが難しいからです。

また、天気も雨は降らないまでもどんよりとした雲が広がっていることが多く、南の島のイメージとはかけ離れた雰囲気になります。もちろん、それに加えて強風が吹きます。

どれくらいどんよりとした日が多いのか説明するのにちょうど良い資料がありました。中央気象局の「日照時間」と「雲量」という資料です。

日照時間を見てみると、夏の日照時間が208時間なのに対し、冬の日照時間は131時間です。まあ冬の方が日が短いので日照時間が短くなるのは当然なのですが…。

また、雲量は、最大を10にした場合の月ごとの平均的な雲の量を示したものです。

夏と冬では現れる雲の形が異なるので参考程度にはなりますが、これを見てみると夏の雲量が6なのに対し、冬の雲量は8もあります。

ちなみに夏の雲は入道雲が多いですが、冬の雲は空中にベッタリと貼り付くような雲が多いです。

ダイチ
とはいえ、冬は冬で本当に自然や文化が好きな人には逆にオススメのシーズンになります。

はっきり言って夏は観光客が多すぎです。澎湖には年間115万人を超える観光客が訪れますが、そのほとんどが夏の間に訪れます。

そのため、夏はどこに行っても人だらけ。どんなにきれいな風景にも人の姿が写り込みます。

一方、観光客の少ない冬なら景色を独り占めできます。風も3日に1日くらいは穏やかになることがありますし、晴れた冬の日は最高です!

また、澎湖が一番盛り上がる元宵節(ランタンフェスティバル)では、澎湖に伝わる伝統文化を堪能できますし、「波の花」と言ってまるで雪が降っているかのような光景も冬だけのものです。

ちなみに冬の平均気温は以下のとおりです。

冬(10〜3月)の平均気温

10月:25.4度(最高:28.1度/最低:23.9度)
11月:22.4度(最高:24.8度/最低:20.9度)
12月:18.9度(最高:21.1度/最低:17.4度)
1月:16.9度(最高:19.3度/最低:15.4度)
2月:17.1度(最高:19.6度/最低:15.4度)
3月:19.5度(最高:22.4度/最低:17.4度)

日本と比べるとそれほど寒くはありませんが、風が強いので防寒対策は必須です。特にバイクに乗る場合はダウンジャケットも必要です。

季節ごとの旅行アドバイス

最後に、月ごとの旅行時の簡単なアドバイスをご紹介します。

1〜2月:平均気温は18〜20度前後ですが、風が強いため体感温度はかなり下がります。長袖長ズボンに防寒着をお忘れなく。雨はあまり降りませんが、くもり空の多い時期です。

3〜4月:平均気温は20度前後ですが、暑いと25度近くになります。天気が変わりやすいので、温度調整のしやすい格好がおすすめです。海はまだ少し冷たいです。

5〜9月:日中の気温が30度を超えることがあります。日陰が少ない上に紫外線が強いので、長袖長ズボンにするか日焼け止めを塗り、熱中症予防に必ず帽子をかぶりましょう。サングラスも必携です。台風以外では雨は降りにくく、海に入りたくなる陽気が続きます。

10〜12月:だんだんと過ごしやすくなる時期ですが、風が吹き始めます。風があると寒く感じますので、長袖長スボンに防寒着をお忘れなく。

澎湖(ポンフー)のベストシーズンはいつ?

以上を踏まえつつ、日本人が来やすい時期を念頭に置いてベストシーズンはいつかと言うと…

ダイチ
5月と、旧暦の7月かな!

5月はオンシーズンに入りたてなので、まだまだ過ごしやすい気候であることが多いです。また、毎年4〜6月に開催される花火大会の時期でもありますし、何よりゴールデンウィークの休暇があります。

ただ、年によっては梅雨に被ることがあるので、そこは要注意です。

旧暦の7月というのは、台湾人が「鬼月」と言って旅行を控える時期です。だいたい新暦の8月か9月ごろですね。

この時期は観光客が比較的減る一方、日本は夏休みに入っている可能性が高いので来やすい時期だと思います。

ルル
純粋に過ごしやすさで言うと、4月、5月、9月がオススメかな?

単純に過ごしやすさだけで判断すると、4,5,9月がいいと思います。この時期ならそんなに暑くなりませんし、お店や離島ツアーもバンバンやっています。

でも、5月は梅雨のリスクがあり、9月は台風のリスクがあります。4月上旬はまだ早いですし、中旬は花火大会のオープニングがあるので航空券がゲットできない可能性があるので…

ダイチ
4月下旬が一番いいかも!

澎湖(ポンフー)の天気まとめ

ということで、澎湖(ポンフー)の天気をまとめてみると…

夏:雨が少ない。気温も台北と比べると低いけど日陰がないのでとても暑く感じる。台風にだけ気をつけよう。あとちょっと曇ってるくらいの方が過ごしやすいので、晴れていても曇っていてもラッキーだと思おう。

冬:風が強い。気温は日本より高いけど風のせいで体感気温が下がる。お店はほとんどやっていないし、離島ツアーもないけど人が少ないのでゆっくり楽しめる。

タプリ
(とはいえ旅行でいい天気に恵まれるかどうかは、運次第。あまり気にせずに来たい時に来てね)

という感じです。ぜひ参考にして澎湖のご旅行をお楽しみください!

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