澎湖(ポンフー)の地名にあるダブルハート

澎湖(ポンフー)の離島「七美」への行き方とおすすめスポット6選

澎湖(ポンフー)で一番人気がある観光スポットと言えば誰もが思い浮かべるのが「七美(qī mĕi|チーメイ)」という離島にあるダブルハート型の石滬(shí hù|スーフー)でしょう。

石滬とは、潮の満ち引きを利用して魚を捕まえるための石でできた罠のことで、新石器時代からある世界最古の漁法だと考えられています。

澎湖の観光ポスターに必ずと言ってもいいほど写っているこのダブルハートは、その名の通り2つのハートが重なっている石滬で、1937年前後からすでに存在していることが分かっています。

観光のために作られたのではなく、昔の人が生活をするために知恵をしぼって作られたものだと考えると、より感慨深いですよね。

七美にあるダブルハートは本当にキレイなハート型をしていることもあり、このロマンチックな光景を見るために大勢の観光客が七美に押し寄せるというのも納得です。

ダブルハートが見られるのは七美だけ!

澎湖(ポンフー)の離島「七美」への行き方とおすすめスポット6選

ちなみに石滬には大きく分けて3つの種類があるのですが、ハート型の石滬は石滬の中でももっとも新しいタイプで、一番効率良く魚を捕まえることができます。

また、石滬自体は七美だけにあるのではなく、澎湖のいたるところにあり、その数は2009年の調査によると、なんと592個!

実はその中にはハート型の石滬も七美以外にたくさん有るのですが、二つのハートが重なっているのは七美だけのものです。

さらに、ほとんどの石滬は上空からでないと見えないのですが、七美のダブルハートは崖の上から眺めることができるので、その美しい姿を誰でも気軽に見ることができるのも特徴です。

なお、石滬の数がもっとも多いのは「吉貝(jí bèi|ジーベイ)」という澎湖の北側にある島で、そこには石滬を学ぶことができる博物館もあります。石滬のことが気になった方はぜひ、吉貝も訪れてみてください。

さて、ここまで読んでぜひダブルハートをこの目で見たいと思った方もたくさんいらっしゃるのでは?

そこで今回は、七美と望安という2つの離島を巡るツアーをご紹介いたします。

ダブルハートを見に行くにはどうすればいい?

澎湖(ポンフー)の離島「七美」への行き方とおすすめスポット6選

日本から澎湖(ポンフー)にいらっしゃるお客様で一番多いのは、ダブルハートを見に行きたい! というお問い合わせです。その回答は次の3通りになります。

  • 七美と望安の2つの島に行くツアーに参加する
  • 定期船で行く
  • 船をチャーターする

この中でもっともオススメなのは、やっぱり七美と望安の2つの離島を巡るツアーに参加することです。

このツアーはたくさんの旅行会社が販売しており、さらに各島を観光するためのバスやレンタルバイクもセットになっています。七美だけでなく望安に行くことができるのも最大のメリットと言えるでしょう。

では、七美のダブルハートだけを見に行きたい場合はどうすればいいのでしょうか?

その場合はツアーではなく普通の定期船に乗って七美に行くことになるのですが、澎湖本島(馬公)と七美を往復する定期船は1日に1〜2本しかないため時間が制約されてしまいます。

具体的には、定期船は途中で望安にも停泊するので、澎湖本島から片道だけで2時間もかかってしまいます。

加えて、七美で宿泊しない場合は復路の定期船に乗らなければならないので、七美での滞在時間はなんと1時間しかないことも…。

これでは、七美に到着してからバイクのレンタルをしていたら全然時間がありません。

離島だから小さいのでは? と思うかもしれませんが、七美を侮るなかれ。

七美の昔の名前は「大嶼(dà yŭ|ダーユー:日本語で「大島」の意味)」と呼ばれていたほど大きな島で、さらにダブルハートがあるのはフェリーが到着する場所とは反対側にあるため注意が必要です。

そして3つめのチャーターは…、もちろん人数がたくさんいるか、安くないお金を支払う必要があるので、あまり現実的とは言えませんね。

ダブルハートを見るなら、七美と望安の2つの離島を巡るツアーがおすすめ!

ということで、七美のダブルハートを見に行くのに一番のオススメは、七美と望安の2つの離島に行けるパッケージツアーということになります。

今回、ラブポンフーのメンバーは取材という名目でこのツアーに参加してまいりましたので、その時の様子と七美の観光スポットや注意事項などについてご紹介いたします。

集合場所は、南海旅客中心

澎湖(ポンフー)の離島「七美」への行き方とおすすめスポット6選

ツアーの船が出航するのは、シェラトンホテルのすぐ近くにある南海旅客中心。

この中にはたくさんの旅行会社のカウンターがあり、澎湖(ポンフー)の南側にある島に行くための船のチケットを買うことができます。

ただし、5月と6月は一年のなかでもっとも観光客が多い時期のため、事前に予約をしないと座席がないこともあります。澎湖の旅行を計画したらなるべく早めにツアーの予約をした方が良いでしょう。

なお、定期便は事前の予約ができません。そのため、定期便に乗りたい場合は受付が開始してから窓口に行ってチケットを買う必要があります。

受付が始まるのは出港30分前から1時間前なので、絶対に乗りたい場合は早めに窓口に行くのが無難でしょう。ちなみに澎湖に住民票がある人は20分早く優先的にチケットが買えるんですよ。

船に乗る時のポイントと注意事項

澎湖(ポンフー)の離島「七美」への行き方とおすすめスポット6選

ツアーの船の出港時間は午前7時〜8時の間ですが、具体的な出港時間は前日にならないと分かりません。その時に自分たちが乗る船の名前と出港時間が分かりますので、注意しましょう。

澎湖(ポンフー)本島から七美までの間に、桶盤嶼(tŏng pán yŭ|トンパンユー)と虎井嶼(hŭ jǐng yŭ|フージンユー)という2つの島の近くを通過します。

桶盤嶼の周囲には美しい柱状玄武岩が立ち並んでいるので、ぜひお見逃しなく。

澎湖(ポンフー)の離島「七美」への行き方とおすすめスポット6選

各島の停泊時間は2時間ずつです。定期便は望安の後に七美に行きますが、ツアーの場合は先に七美に到着し、その後に望安に行くのが一般的です。

澎湖本島から七美までの航海時間はおよそ1時間です。

午前中は比較的波が低いのであまり揺れませんが、慣れていない方は船酔いするのに十分な時間です。自信のない方は酔い止めを忘れずに飲んでおきましょう。

なお、酔い止めは船に乗る30分ほど前に服用する必要があります。また、薬品のため船乗り場の売店では売っていませんので事前に準備しましょう。

船は2階席の方が揺れが大きく、下の席の方が揺れが小さいです。ただし、下の階は重油のニオイが強いことがあり、人によってはこのニオイで船酔いしてしまうこともあります。

澎湖(ポンフー)の離島「七美」への行き方とおすすめスポット6選

船酔いしてしまった場合は、手のひらの人差し指と親指の間を指で押しましょう。ここのツボを押すと症状が和らぐと言われています。

一番の酔い止め対策は、寝てしまうことです。

各島を出港する時間は到着時にアナウンスされます。必ずその時間までに船に乗りましょう。また、違う船に乗ってしまわないように船の名前をきちんと覚えておきましょう。

七美に到着!

澎湖(ポンフー)の離島「七美」への行き方とおすすめスポット6選

澎湖(ポンフー)本島を出港しておよそ1時間。ようやく七美に到着しました。

ちなみにぼくは学生の頃から研究のために様々な離島に行く時に超小型の漁船から大型のフェリーまで色々な船に乗ってきました。そして、一度も船酔いをしたことがなかったのですが、今回初めて船酔いをしました…。

船酔いって、本当に辛いんですね。気持ちが悪くなるだけでなく、お腹も痛くなるんですよ。顔面なんか蒼白だったらしいですし…。この日は寝不足だったのですが、以前少しだけ船酔いっぽくなった時も寝不足だった気がします。

皆さんは船に乗る前はしっかり睡眠をとって酔い止めを飲むことをオススメしますよ!

さて、七美に到着したらまずコンビニで飲み物を買いましょう。朝ごはんがまだの方は朝ごはんもついでに食べましょうね。七美の港の前には、セブンイレブンとファミリーマートの両方があるので安心です。

澎湖(ポンフー)の離島「七美」への行き方とおすすめスポット6選

そしてぼくたちはレンタルバイクで出発!

七美は景色がきれいな観光スポットが点在しているのですが、今回のメインの目的地はダブルハートなので、時間が足りなくなってしまわないよう、先にダブルハートを見に行くことにしました。

感動のダブルハート!でも注意しなければならないことも

澎湖(ポンフー)の離島「七美」への行き方とおすすめスポット6選

地図や「雙心石滬」と書かれた看板を頼りに進んで行くと丘の上に到着します。駐輪場にバイクを止めて人だかりの方に行き崖の下を見下ろすと、見事なダブルハートが!

と言いたいところなのですが、この日は時間帯が悪く、お目当のダブルハートは海の中にある状態でした。そう、石滬は潮の満ち引きを利用した漁業用の仕掛けですよね。そのため、潮が満ちている時はダブルハートは海の中に沈んでしまうのです。

この日は天気が良かったので、海の沈んでいるもののダブルハートの姿を見ることができましたが、条件が悪い場合ははっきりと見ることができない場合もあります。

どうしても海から姿を出したダブルハートを見たい! という場合は、午前中に潮が引く日を選んで澎湖旅行の予定を立てるか、七美で一泊するのが良いです。

澎湖(ポンフー)の離島「七美」への行き方とおすすめスポット6選

こちらがベストな時間帯に撮影した冒頭の写真です。タイミングが良いとこんなにキレイなんですね。

七美にはダブルハート以外の名所もたくさん

さて、この旅のメインであるダブルハートを見た後は、七美にあるその他の観光スポットを周っていきました。

こちらは「小台湾」。その名の通り、台湾のような形をした岩を見ることができます。一見するとなんて事のないように見えるかもしれませんが、このような地形ができたのは、澎湖全体を構成している玄武岩のおかげです。

澎湖(ポンフー)の離島「七美」への行き方とおすすめスポット6選

こちらは「大獅(dà shī|ダーシー)」。写真の右奥に突き出ている岩の形がライオンのようになっているのが分かりますか?

澎湖(ポンフー)の離島「七美」への行き方とおすすめスポット6選

こちらは、龍のような形をした岩「龍埕(lóng chéng|ロンチェン)。これも玄武岩ならではの地形です。

澎湖(ポンフー)の離島「七美」への行き方とおすすめスポット6選

七美の由来となった伝説が残る七美人塚

澎湖(ポンフー)の離島「七美」への行き方とおすすめスポット6選

七美に来たらぜひ来ていただきたいのは、この七美人塚です。その名の通り、七美の名前の由来にもなった場所であり、7人の女性にまつわる歴史が残る場所でもあります。

それは今から450年ほど前のことで、アジアの海には当時たくさんの海賊がいました。残念ながら、その中には日本人の海賊も少なくなかったようです。そんな時期にこの七美にも海賊がやって来ました。

七美に住んでいた7人の女性は、海賊から乱暴をされるのを恐れ、ここにある井戸に身を投げて自殺をしたそうです。それからしばらく経って生えてきた7本の木は7人の女性の化身だと信じられています。

…という歴史に心を打たれた当時の澎湖県知事が、1949年に「大嶼」と呼ばれていたこの島を「七美」と改名しました。それが「七美」の名前の由来なんですね。

澎湖(ポンフー)の離島「七美」への行き方とおすすめスポット6選

中に入るのは有料(50元)なのですが、外からでも中の様子をある程度見ることができます。

日帰りツアーで来る場合はあまり時間がないと思いますが、中には七美に関する様々な資料も展示されているので興味のある方はぜひ入場されることをオススメします。

最後に忘れてはいけない「阿婆肉粽」

澎湖(ポンフー)の離島「七美」への行き方とおすすめスポット6選

一通り七美観光が終わったら、次の島に行くためにフェリーに乗る前に、港のすぐ近くにある「阿婆肉粽(ā pó ròu zòng|アーポーロウゾン)」でチマキを買うのをお忘れなく!

澎湖(ポンフー)の離島「七美」への行き方とおすすめスポット6選

台湾のチマキは日本のものよりしっかりした味付けで、具もたっぷり。阿婆肉粽のチマキは特に美味しいことで有名なので、ぜひ買って船内で味わいましょう。

七美に行くなら七美&望安ツアーがオススメ

澎湖(ポンフー)の離島「七美」への行き方とおすすめスポット6選

さて、この後はまた船に乗って望安に行ったのですが、その時のお話は別の機会にご紹介いたします。ちなみに七美から望安まではおよそ50分です。

澎湖(ポンフー)というとこれでもか! というほど七美のダブルハートが推されるので、ダブルハートを見に行かれたいという方は大勢いらっしゃると思います。

ですが、七美は離島である澎湖のさらに離島なので、確実に見たいという場合は十分に下調べをする必要があるので気をつけてください。

七美には定期便でも行くことができますが、せっかくなので七美だけでなく望安もふくめたツアーに参加されるのが良いと思います。ツアーなら島に到着した後の交通も心配しなくて平気ですからね。

ラブポンフーでは、この七美&望安のツアーもご案内しておりますので、ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。