澎湖(ポンフー)最古の井戸「四眼井」
澎湖(ポンフー)の老街「中央街」に来た人が必ず見るのがこの四眼井で、四眼井は台湾の国家3級古跡に指定されています。
中央街が澎湖で最初期に開発されたことからも分かる通り、この井戸にもかなり古い歴史があります。残念ながらいつ頃できたのかは分かっていませんが、はるか昔から人々の生活を支えてきたものでしょう。
一年中水が枯れることがないため、かつては飲料水として用いられていました。
なお、1934年に上水道が完備されてからは洗い物用の水として用いられるようになり、現在ではほとんど使われることはないそうです。
ですが、人々の生活の中心が四眼井だということには現代も変わりがないようで、毎年の旧正月・端午・中秋・冬至の際には「拝井母」という祭祀が行われており、地元の人が結婚する時には「乞水」という祭祀が行われます。
澎湖は山がなく水の少ない島ですので、上水道のない時代には四眼井は生活に欠かせない大切なものだったのでしょう。
ちなみにこの四眼井、四つ眼になっているなんで珍しいですよね。
四つ眼になっている理由は、この井戸に人が誤って落ちないように4つの穴がある石版でフタをしたからです。
ちなみに四眼井の深さは5.6メートル、井戸の直径は1.8メートルもありますが、4つ目の穴の直径は35センチなので滅多なことでは井戸に落ちないから安心ですね。
四つ目をのぞいてみるとレンガで作られていることがわかります。
中を覗いてみると透き通っていて、底に沈んでいる小銭まで見えます。
覗きこむときはカメラやスマホ、サングラスなどを落とさないように注意してくださいね。
なお、井戸の中には金魚とカエルがいるのですが、これは井戸に問題がないか、毒などが入っていないかどうかを調べるための指標だったそう。
金魚とカエルが生きていれば、人間も飲んで問題ないというわけですね。金魚はすぐに見つかると思いますが、カエルはなかなか見つからないので、見つけた人はラッキーかもしれません。
古くは「四孔井」「四穴井」「四空井」などと呼ばれたこともあり、日本人は「四目井」と呼んでいたそうです。
澎湖の老街は昔「大井街」と呼ばれていた時期もありますが、それはこの四眼井が名前の由来となっています。