沖縄だけじゃない。澎湖(ポンフー)にもたくさんある石敢當
「石敢当」をご存知でしょうか? 石敢当は簡単に説明すると『魔除け』のことで、ほとんどの石敢当は長方形の石版に「石敢当」と書いてあります。
日本では沖縄の三叉路や丁字路に置かれていることが多いので、ご存知の方もたくさんいらっしゃると思います。
沖縄では、魔物「マジムン」が直進する性質があると考えられており、三叉路や丁字路の突き当たりにやってくると壁をすり抜けて向かい側の家に入ってしまうと信じられています。
そこで突き当たりに石敢当を置くことで魔物の侵入を防いでいるというわけです。
沖縄に行くと必ず見かけるほど数が多いため、沖縄の文化だと思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、実は石敢当はもともと中国から来た文化です。
そのため、中国文化の影響を強く受けた台湾にも石敢当が存在します。
そして澎湖(ポンフー)は、台湾の中でも石敢当の数がもっとも多い地域で、実に663個もの石敢当が確認されています。
なお、澎湖の石敢当は寺院によって設置されたものと個人が設置したものの2種類があります。
設置された理由は場所によって様々ですが、神様のお告げによって置かれたものもたくさんあります。
神様のお告げなんてどうやって聞くの? と不思議に思う方もいらっしゃるでしょう。
信じられないかもしれませんが、神様のお告げは澎湖では現在も健在で、寺院の建て替えなど重大なことは神様が人間に乗り移ることで人々に伝えられています。
乗り移られた人が突然、その人が話せないはずの言語(日本語を話すこともあるそうです!)で喋り出すこともあるというのですから驚きです。
沖縄の石敢当のほとんどは道路の突き当たりに設置されていますが、澎湖の場合は突き当たり以外の場所でも多く見かけ、中には家の門や屋根に設置されたものもあります。
また、必ずしも「石敢当」と書いてあるわけではなく、後寮村にある石敢当には「魑魅魍魎」と書いてあります。
この石敢当は澎湖で最大の石敢当で、大きさはなんと高さ191cm、幅は107cm、厚さは16cmもあります。
そのほかにも「南無阿弥陀仏」と書かれたものや絵が描かれたものなど様々です。
形状も多種多様で、主に次の6種類の形に分類されます。
- 平頭形:沖縄でもよくみかける一般的な長方形の石敢当
- 圓弧形:長方形の上部の両角が丸くなっている石敢当
- 笏頭形:古代に大臣が王様などに会う時に持っていた細長い板「笏」のような形をした石敢当
- 多角形:多角形の石敢当
- 劍尖形:剣のように鋭い形をした石敢当
- 特殊形:それ以外の形状の石敢当 ツボのような形のものや天然の石をそのまま使ったものもある
澎湖の石敢当は種類が様々で、一見石敢当に見えないものも石敢当だったりします。澎湖を旅行中に石版を見かけたらぜひ、それが石敢當がどうか確かめてはいかが? いろんな種類があって面白いですよ。