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島での暮らし方を知り始めたら毎日が面白くなる

島での暮らし方を知り始めたら毎日が面白くなる

皆さんこんにちは、台湾の離島「澎湖(ポンフー)」に移住した日本人のダイチです。ぼくはこう見えて実は東京生まれの東京育ち。そんなこともあり、海外の離島で暮らしていると「東京から来たんじゃあ、澎湖は不便なんじゃないの?」とよく言われます。ところが、ぼくに言わせるとそんなことはありません。何しろコンパクトにまとまっているので、車とバイクさえあれば大抵のことはできます。

台北で暮らしていた時は意外と不便だったんです

例えば、買い物。澎湖に引っ越す前は台北にトータルで1年半ほど住んでいました。台北といってもかなり広く、ぼくが暮らしていたのはいわゆる「大台北」エリア。大台北とはどのあたりをさすのかというと、台北市の周りをぐるっと囲んでいる「新北市」のことで、この新北市がとっても広いんです。だから台北で暮らしていても何かが欲しい時はバスとMRT(地下鉄)を乗り継いげ1時間くらいかけて台北まで行かなければなりませんでした。なのでちょっと買い物したいな〜みたいな時でも出かけるために「よし、行くか!」というノリが結構必要でした。

日本でも埼玉や千葉、神奈川らへんも首都圏と呼びますよね。でも新宿とか渋谷に行くには電車でそこそこ時間がかかるじゃないですか、それと同じ感覚だと思います。

カナダのカルガリーで暮らしていた時はもっと大変でした。こっちは広さの規模が違います。隣町までの距離が3キロとか30キロとかじゃなくて300キロなんです。さらに普通の家が広いもんだから街が広い。こうなるともう、車がないと不便で不便で仕方ありません。バスもありますがバスは回り道しますのでマイカーなら10分のところが1時間かかったりしました。挙句の上にバス代もお高めなのでどうしても出不精になってしまいがちでした。

澎湖はすべてがコンパクト。ないものはないけど大体のものはある。

それと比べて、澎湖は全てがコンパクトにまとまっています。レストランも、本屋も、ダイソーも、図書館も、博物館も、海も友達も、車で10分もあればたどり着く距離にほとんどあります。もちろん、品揃えは悪いのでそれが不便だと言えば不便かもしれませんが、ここまで選択肢がないともはや不便を通り越して便利です。いろんなものの中から1つに絞り込む必要が無いので。

一方で、狭くて休みの日に行く場所がないのでは無いかと思われるかもしれませんが、今のところはそんなことはありません。もちろん、これから何十年も暮らせばそういうこともあるでしょうが、澎湖は意外と見る場所が多いです。

例えば、歴史的な建築物や資料館。澎湖は台湾でもっとも歴史が長い地域なので、歴史的な建築物がたくさんあります。それらは何百年も前からあるものに始まり、日本時代のもの、戦後のものと歴史的背景のバリエーションも様々です。また、資料館も豊富で一つのことを調べるとどんどん深入りしていけるのでキリがありません。もちろん、離島もたくさんあるのでそうした島に行くのも楽しみの一つです。

イベントが多いことと参加しやすいことが一番の魅力

そしてなんと言っても一番嬉しいのは、行事があればすぐに参加できることや、友達とすぐに会えることだと思います。澎湖には「踏涼傘」という伝統芸能があるのですが、最近はこの踏涼傘の教室に参加しています。文化局が家から5分の場所にあるので、実に気軽に参加できています。もしこれが家から1時間もかかるような場所でやっていたら続けるのが難しいと思うのですが、さすがに家から5分の近さであれば変な気負いもないのでリラックスして続けることができます。妙な言い方かもしれませんが、友人関係も同じようなものではないでしょうか。

また、澎湖は離島ですが沖縄のような観光立県を目指している一つの「県」なのでイベントもたくさんあります。国際的な学会から始まり、アイアンマンのような世界中からアスリートが集まるような本格的なイベントも一年を通じて盛りだくさんです。毎年夏に開催される花火大会も忘れてはいけませんね。

さらに、台湾は国連に加盟していないこともあり、そのおかげで? 国際社会に出られるようにたくさんの国際イベントを開催する(財源をたくさん使う)習慣があります。澎湖も例外ではなく、こんなに小さな島なのに世界中の人と出会えたり、世界中の学者に簡単に会えてしまうのも大きな魅力に感じています。

妻の悩みはショッピングができないことだけど、澎湖には澎湖のやり方があった。

一方、妻のルルはまだまだ田舎暮らしに慣れていないようで、休みの日にショッピングに行けないことを嘆くこともあります。しかもネットショップで買い物をしても澎湖までは届けてくれない業者も多く、その点ではぼくも不満がないわけではありません。

ですが、最近は楽天(台湾にも楽天市場があるんです)の業者は澎湖まで商品を送ってくれることが分かったり、澎湖の人同士で共同購入する文化があることを発見しました。そのおかげで最近はfacebookやLINEの共同購入グループを使ってショッピングを楽しめるようになっています。

ここにはここの、そこにはそこの暮らし方がある。みんな違ってみんないい。

まだ澎湖に引っ越して4ヶ月しか経っていませんが、澎湖には澎湖の暮らし方があることが少しずつ分かってきました。不便不便と感じるのは、あくまでも自分が今まで暮らしてきたところを基準に考えているからです。日本の暮らし方、東京の暮らし方、台北の暮らし方は澎湖ではできません。澎湖には澎湖に適合した暮らし方があるわけですから、それに自分を慣れさせることができるかどうか、それが澎湖で暮らしていくコツなのでしょう。

これは何もぼくらだけに限ったことではなく、日本の田舎や離島に移住しようとされている方も同じです。あれがない、これがないと不便に思ったら、失ったものの代わりに何を手に入れたのかを考えてみましょう。きっと、豊かな時間や自然環境、新しい人間環境を手に入れているはずです。それを元に、ないものは自分で作ったり、新しい世界に飛び込んではいかがでしょうか。

例えば、調味料や嗜好品。この前は海のキレイなビーチに行って海水をくみ、そこから天然の粗塩を作りました。工業製品よりずっとまろやかな味の塩ができました。ビールも自分で作ってみました(台湾では自家製ビールは条件付きで合法)。既製品よりはるかに美味しいビールが1本あたり10元(日本円で約35円)でできてしまいました。また、ショッピングセンターに行く代わりに共同購入グループに入ったら出会いや発見がありました。

田舎や離島に理想を抱いても、実際に移住してみると幻滅することもあるでしょう、すぐに飽きてしまう景色もあるでしょう。ですが、そこでの暮らし方をマスターしてしまえば、どこだって暮らしやすい場所に変わるということが分かりました。世の中には台湾の離島に移住する酔狂な人もいるんです(笑)。一度きりの人生、自分が楽しめるところで暮らすことが人生を楽しむコツの一つなのかもしれませんね。

About The Author

宮坂大智

村おこしNPO法人ECOFF代表理事。趣味は荷物のパッキング。老け顔なので10代の頃からよく30代に間違われていた。と思ったらもう30代になっていた。基本、自宅で仕事をしているので近隣住民からはヒモだと思われているのが最近の小さな悩み。

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