菓葉灰窯

まるでお城!?な石灰工場跡「菓葉灰窯」

澎湖(ポンフー)の日の出スポットといえば、菓葉の「菓葉觀日樓」ですが、この菓葉には他にもちょっと変わった施設があります。

それが、かつては石灰工場として活躍した「菓葉灰窯」です。「灰窯」とは、石灰工場のことなので、菓葉灰窯は菓葉にあった石灰工場のことですね。

実は澎湖はセメントが一般的になるまでは石灰の生産地としてその名を馳せていました。

澎湖の海にはサンゴの死骸や貝殻など、石灰の材料になるものがたくさんあります。そのため、澎湖では大量の石灰が生産され、住宅の壁に塗られるなど幅広く利用されていたのです。

そんな時代の名残は今でも澎湖に点在していますが、その中でももっとも保存状態が良い石灰工場が「菓葉灰窯」です。

今では使われなくなっていますが、丁寧に修復されているのでまるで新築の工場のように美しい状態になっています。

建物は澎湖の玄武岩を基に作られているため、外壁には今でも玄武岩が剥き出しになっており、実に澎湖らしい建築で美しいです。

外観がまるでお城のように見えることから「菓葉のお城」なんて呼ばれることも。

歴史的には1960年に建設されたそうで、1970年ごろからだんだんと石灰の生産量が減っていったそうですが、今では結婚写真に使われるなど観光客にとっては人気のフォトスポットとして生まれ変わりました。

特に建物の屋上から見下ろす澎湖の海は大変美しいです。

ちなみに、ここから10kmほど離れた場所に「許家」という集落があるのですが、許家の人々は元々は菓葉を開拓した一族なので、今でも菓葉の資源の権利を持っているんだそうです。

そのため、この菓葉灰窯も許家の方の所有地なんだそう。なので、個人の建物ではあるのですが、自由に入っても特に咎められることはありません。

ただ、石灰を作っていた大釜2つは手すりなどがありませんので、足を滑らせて落ちたりしないように気をつけてくださいね。