目に焼き付けたい!絶景が広がる「三仙塔」
澎湖(ポンフー)でもっとも観光スポットが多いのが「西嶼(シーユー)」エリアです。
この島の先端には台湾でもっとも歴史のある灯台「漁翁島灯台」がありますが、そこに行く間、左手にきれいな街並みが広がっているのに気づきましたか?
その街並みを一望できる場所にあるのが「三仙塔」です。
三仙塔は「外垵(ワイアン)」という澎湖最大の漁村を一望できる丘にあり、ここからその美しい風景を眺めることができます。
大きく美しい湾、そしてそれを囲むように建っている街並みは、まるで地中海の街並みのようです。
しかも元宵節(ランタンフェスティバル)の時には港に泊まっている全ての船がLEDを光らせるのでとても幻想的になります。
なお、「三仙塔」とは澎湖のいろんな場所にある石塔、つまり村の守り神の一つです。
あまりにも昔からあるので、いつからあるのかは定かではないのですが、眼下に広がる漁村外垵の風水を整えるために建てられたということが今でも伝わっています。
外垵は海から見ると左右に岬が突き出しているのですが、右側の岬が長い一方で左側の岬は少し短くなっています。
台湾では、右は女性で左は男性を表すとされているので、風水的には男性の寿命が短くなる地形なのです。
漁師は命がけの仕事なので、男性の寿命が短い地形は縁起が悪い。そこでこの三仙塔を縦に3つ並べることで左側の岬を長くしているというわけです。
ですが、風水は一度乱すと何が起こるか分かりません。そこで長くなった分を調整するため、反対側の岬にも全く同じ石塔が建てられているのですが、こちらは縦ではなく横に並べられています。
このように、元々長かった右側の岬を短くし、左側の岬を長くすることで、男性の寿命が延びるように願ったのだと伝えられています。
また、三仙塔のすぐ後ろにある遺跡は、日本時代の軍事施設の名残です。今では使われなくなっていますが、80年以上の時が流れてもいまだに冬の強風に耐えて往年の姿を伝えています。
三仙塔周辺は年々、ポピュラーになっているので少しずつ道の整備がされていますが、とても分かりにくく、まだ未舗装の部分もあります。行かれる際には十分気をつけて運転してくださいね。