澎湖(ポンフー)ならではのアイスとフワフワかき氷を食べられる「23.5掌上明珠」

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澎湖(ポンフー)といえば、南の島。南の島といえば、夏。夏といえば、アイスでしょう! そして台湾といえば、ふわふわのかき氷「雪花冰」を連想される方も多いのでは? あのふわっふわのかき氷を澎湖で食べられれば最高ですよね。そんな方にオススメしたいのが、民族路にある「23.5掌上明珠」です。

こちらのお店で提供しているのは、「仙人掌(サボテン)」「海菜(のり)」「風茹茶(野草のお茶)」のたったの3種類だけ。台湾のド定番のマンゴー味すらありません。それに、どの味も日本では聞いたこともありませんよね? いやいや、台湾に来たって食べられません。どれも澎湖ならではの名物なので、澎湖にやってこないと味わえないんです。

お話をしてくれたオーナーによると、2014年に開店した当初は、もっと色々な味を試してみたそうですが、最終的に澎湖の素材を生かすこの3種類に落ち着いたそうです。それだけにオーナーのこだわりが詰まっており、どれもとっても美味しいです!

注文の前に全ての味の試食ができる!

澎湖(ポンフー)ならではのアイスとフワフワかき氷を食べられる「23.5掌上明珠」

でも、見たことも聞いたこともないようなアイス、どんなに美味しいと言われたところで、いきなり注文するには勇気がいりますよね…。でも安心してください。なんと「23.5掌上明珠」では、注文の前に3種類とも味見ができるんです! 2016年から味見サービスを始めたところ大好評のようですよ。確かに仙人掌(サボテン)や風茹茶(野草のお茶)はまだ想像できるとしても、海菜(のり)味なんてちょっと怖いですよね。

ちなみにメニューはこちら。

澎湖(ポンフー)ならではのアイスとフワフワかき氷を食べられる「23.5掌上明珠」

さて、さっそくお味の方についてご紹介していきますね。まず仙人掌のアイス。こちらはどこでも見かける澎湖(ポンフー)定番のアイスですが、「23.5掌上明珠」の仙人掌アイスは、微妙な酸味と甘さが絶妙な味を引き出しています。仙人掌にある草っぽい匂いや味もなく、何も言われなければサボテンのアイスだなんて想像できないと思います。

次に風茹茶のアイス。風茹茶は澎湖にたくさん生えている野草から作られるノンカフェインのお茶です。ちょっとルイボスティーに近い味かもしれません。こちらは風茹茶の味がシッカリしますよ。決して香料などでごまかしたような味ではありません。オーナーによると、風茹茶をただ単にアイスにすると味が薄くなってしまうそうなのですが、「23.5掌上明珠」では、なんと2日間もかけて風茹茶を抽出することにより、この味を生み出しているんだとか。

そして気になる海菜のアイスですが…。これはびっくりしますよ。個人的には3つの中で一番好きです。元は海藻なので少し警戒していたのですが、海菜の臭い感じは全くなく、ミルクとうまく溶け合って素晴らしいハーモニーを作り出しています。個人的には、なんとなく抹茶味に近いような気がしたのですが、他の人はそんな感じはしなかったそうです。おかしいなあ。

量が多くても飽きないこだわりのプレート

さて、3種類の味見が済んだところで注文です。カップアイスもあるのですが、プレートのメニューもあり、こちらも3種類。それぞれ、仙人掌(サボテン)、風茹茶(野草のお茶)、海菜(のり)がテーマになったかき氷を選んだ後、お気に入りのアイスを加えることができます。ぼくとルルは「掌上明珠:ミルクのかき氷+仙人掌」を注文し、海菜(のり)アイスをつけました。このかき氷がまた面白いんです!

澎湖(ポンフー)ならではのアイスとフワフワかき氷を食べられる「23.5掌上明珠」

かき氷の上に載せられたハート型の仙人掌の他に、仙人掌タピオカと仙人掌ソースが付いてくるんです。そしてこれらは全て食感も甘さも酸味も異なっており、かき氷と一緒にして食べると色々な味や食感を楽しめるようになっています。台湾でかき氷を頼むと大きすぎて途中で飽きてしまうことがあるのですが、これは全然飽きることなく楽しみながら食べることができました。

澎湖(ポンフー)ならではのアイスとフワフワかき氷を食べられる「23.5掌上明珠」

特に仙人掌タピオカには苦労が詰まっているそう。ぼくも仙人掌で色付けした塩を作ろうとして失敗したことがあるのでよく分かるのですが、仙人掌は熱に弱いんです。どう弱いのかというと、熱を加えると鮮やかな色が茶色くなってしまうんですよね。なのでこの綺麗な色をタピオカに付けるというのは大変難しいことなんです。

他のお店でもよく使われている色付けの方法は、タピオカを仙人掌のジュースに漬けるというものなのですが、実はそれでは鮮やかに染めることができないそう。そこで「23.5掌上明珠」で開発された方法が、仙人掌パウダーを使うという方法です。高濃度の仙人掌をパウダーにし、さらにタピオカの粒を小さくすることで熱する時間を短くし色を失わないように工夫してあるとのことです。しかも普通のタピオカと違って濃い色が付いているので、工場でこれを作ると機械を洗浄しないと普通のタピオカを作ることができないので、一度に大量に発注しないといけないのだそうです。そんな苦労を知りながら味わうとまた格別の味になりますね〜。

澎湖(ポンフー)ならではのアイスとフワフワかき氷を食べられる「23.5掌上明珠」

こちらは、海菜のかき氷「碧海綿綿」。貝の器にかき氷がのせられていてオシャレです。

澎湖(ポンフー)ならではのアイスとフワフワかき氷を食べられる「23.5掌上明珠」

こちらは、風茹茶のかき氷「黒美人」。澎湖名物の黒糖ケーキが添えられていました。ちなみに黒糖ケーキは、日本時代に澎湖でサトウキビが栽培されていた時の名残です。今では澎湖ではサトウキビは栽培されていませんが、名物として残っているので、あちこちのお土産やさんで見かけられますよ。

不思議な店名の由来とお店の生い立ち

ちなみに「23.5掌上明珠」の「23.5」の意味をオーナーに聞いてみると、色々な理由がありました。一つは、澎湖の緯度が23.5度だからということで、もう一つの意味は、澎湖では23歳半くらいの時期に独り立ちをすることが多いからということでした。実は「掌上明珠」というのは、直訳すると「手のひらの真珠」なのですが、実際の意味は「親から見た可愛い子ども」なんですね。台湾ではタピオカのことを「真珠」と言うこともあるので、なんだか色々と掛けている名前のようです。

また、お店の中では可愛らしいポストカードも販売しています。さらに、ハンコを使って自分だけのポストカードを作ることもできます。面白いですよね。

澎湖(ポンフー)ならではのアイスとフワフワかき氷を食べられる「23.5掌上明珠」

今回は運よくオーナーから色々なお話を聞くことができたのですが、このお店のこだわりは半端じゃなかったです。一度澎湖を出て台湾の各地で働いてきたUターン者ならではの視点で、アイスと真剣に向き合っているのがよく分かりました。特に、観光客が好きそうなマンゴー味やゴマ味などを出せば売れるけれど、それでは澎湖でやる意味がないと、澎湖の食材だけにこだわる姿勢は素晴らしいと思いました。

さらに驚いたことに、今の立派なお店は開店当初から同じなのだそう。つまり、売れるかどうか分からないのにいきなり大きなお店を開いたということです。台湾では屋台から始めて、商売が軌道に乗ったらお店を構えるというのが普通なので、最初からお店を構えたというストーリーには驚きです。しかも最初はたったの2つしか商品がなかったそうですよ!

そんな「23.5掌上明珠」は、澎湖の観光スポットが集中している中央街と天后宮の近くの民族路を北に上がったところの左側にあります。市内にありアクセスも良いので、澎湖にお越しの際はぜひオーナー自慢のアイスを味わってください!

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