台湾版「青の洞窟」と、忘れ去られた故郷「西吉」

澎湖(ポンフー)の南側にある小さな4つの島、南方四島。

独特の自然環境や文化が認められ、2014年に台湾で2番目の国立海洋公園に指定されました。

4つある島の1つ「西吉」は、最盛期には人口300人を超えていましたが現在は無人島になっており、他の3つの島をあわせても常住人口はたったの38人(2021年1月)。もっとも少ない島の人口はたった3人だけです。

しかし、かつては大陸と台湾の貿易の中継点としてさかえた歴史があり、いまでも往年の姿がのこされています。

今回は、そんな南方四島のなかでも特に人気がある「西吉」をご紹介します。

いちどは見てみたい? 台湾版「青の洞窟」

台湾版「青の洞窟」と、忘れ去られた故郷「西吉」

西吉を象徴するのは「青の洞窟」の異名をもつ海蝕洞「藍洞」です。

藍洞の天井にはぽっかりと穴があいており、そこから太陽の光が海面にあたると、うつくしい青色にかがやきます。

そんな夢のような光景を目にするため、連日おおくの観光客がクルージングツアーに参加します。

ラブポンフーでも、藍洞と七美観光を楽しめる離島ツアーの手配をしていますよ。

七美・青の洞窟ツアー – ラブ ポンフー

とはいえ4つの島すべてが国立公園となったいまは、環境保護のため藍洞のなかには入れません。

台湾版「青の洞窟」と、忘れ去られた故郷「西吉」

そのため、正直あまり「青の洞窟」感はないのですが、藍洞の周辺にはまるで彫刻とみまちがえるような美しい柱状玄武岩があるので、むしろこちらを楽しんでいただきたいと思っています。

草原にたたずむ玄武岩とサンゴ石でつくられた美しい古民家

西吉は、1979年に廃村され無人化しました。

そのため現在は港が整備されておらず、上陸できる機会はめったにありません。

まれに、ビーチクリーンやガイド講習があると上陸できるので、その時の写真とともに西吉の様子をご紹介します。

台湾版「青の洞窟」と、忘れ去られた故郷「西吉」
港がないので、上陸はけっこう大変です。
台湾版「青の洞窟」と、忘れ去られた故郷「西吉」
崖のようなところをはいつくばるように登っていきます。

まわりが断崖絶壁となっている西吉の景色は、世界の果てのよう。荒涼とした草原がえんえんとひろがっています。

台湾版「青の洞窟」と、忘れ去られた故郷「西吉」

草原のなかには、玄武岩とサンゴ石で建てられた伝統的な三合院の古民家がポツポツと建っており、ここにかつて人々が暮らしていたことを物語ります。

台湾版「青の洞窟」と、忘れ去られた故郷「西吉」

学校の跡地もあり、こんな最果てのような島にも教育がいきわたっていたと思うとびっくりしますね。

台湾版「青の洞窟」と、忘れ去られた故郷「西吉」

風よけになる山もなく、島のまわりは急峻な崖。こんなところにどうやって人が住んでいたのだろうと思わずにはいられません。

台湾版 青の洞窟「灶籠」を真上から見ると…

西吉に上陸したらぜひ見たかったものがあります。

それは、あの青の洞窟の真上からの景色です。

台湾版「青の洞窟」と、忘れ去られた故郷「西吉」

大地にぽっかりと空いた大きな穴。まわりは美しい柱状節理になっており、はるか下には澎湖の真っ青な海があります。

台湾版「青の洞窟」と、忘れ去られた故郷「西吉」

「青の洞窟」というのは、もちろん観光客向けの呼び方で、島の人は「灶籠」と呼んでいたそうです。

昔ながらのカマド「灶爐」に似ているのがその由来です。

たしかに、洞窟の横から薪を入れて、上の穴に鍋をおいたら料理ができそうな形をしていますね。

もしも巨人がいたら本当にカマドとして使うかもしれません(笑)

南方四島の未来に期待

もう40年以上前に無人島となってしまった西吉ですが、石づくりの頑丈な家や石垣は今でも健在です。

西吉をふくむ南方四島国家公園は、より多くのひとびとにその価値を知ってもらうため、少しずつですが整備がすすんでいます。

西吉にかんしては、だれでも上陸できるようにはならないだろうといわれています。

そのため、今後もひとの目にふれることはほとんどないでしょう。

しかし、かつて大陸と台湾をむすぶために活躍した島があったということは、いつまでもひとびとの心にのこってほしいものです。

台湾版「青の洞窟」と、忘れ去られた故郷「西吉」