玄武ブルーの海と天然の噴水が見所!澎湖本島最西端の「風櫃洞」
澎湖(ポンフー)本島の最西端にある「風櫃(フォングエ)」。
ここでは玄武岩の奇形を展望台から見下ろしたり、波で削られてできた海食洞を見ることができます。そして何より、西端にあるため美しい落陽を観賞することもできます。
風櫃の目印は白くそびえる展望台です。この上に登ると、風櫃に広がる不思議な玄武岩の景色が眼下に広がります。よく見ると奥の低くなっている方が黒くなっていて、手前の方が茶色くなっていますよね。
黒くなっているのはアルカリ性の玄武岩で非常に強固です。一方で茶色い部分はケイ素が多く含まれており壊れやすい玄武岩です。黒い部分と茶色い部分は恐らく出来た年代が異なるのでしょう。
上から見ると六角形になっていることに気付きます。これはマグマが冷えて固まった時に収縮して出来た物です。これを横から見ると柱状になっているので柱状玄武岩と呼ばれる地形になります。
目線を左手前の方にすると、何やら窪んだ地形があって人々が集まっている場所に気づくはずです。
ここには海食洞があり、海食洞の天井には小さな隙間が開いています。ここに耳を当てると「ポコン…ポコン…」という音が聞こえるのですが、これが風櫃の地名の由来と言われています。
「風櫃」とは、火を起こす時に使われたフイゴのことで、海食洞の壁にぶつかった波が洞窟内に反響する音がフイゴの音のように聞こえるからなんだそう。
ところでこの展望台、まるでキノコのような形をしていますよね? ですが、これはキノコではなく風櫃で見ることがとある自然現象をモチーフにした物なんですよ。
その自然現象の正体は、海食洞に勢いよく流れ込んだ海水が洞窟の真上の隙間から噴水のように吹き出すこちらの現象です。
この噴水現象は強い南風が吹いていて、潮が満ちている時にだけ見ることができます。簡単に言えば台風が近づいている時にだけ起こる珍しい現象です。
そんな天気の日は、離島ツアーやシュノーケリングなどのマリンアクティビティーは中止になってしまいますが、そんな時こそがチャンス。ぜひ風櫃に来てこの現象を見てください。
また、風櫃の海は独特の青い色をしているのも特徴です。澎湖は砂が多いので少しでも波があると透明度が下がってしまうのですが、風櫃の海底のほとんどは玄武岩やサンゴで覆われています。
そうした海底の環境によって独特の色が広がっています。コーラルブルーならぬ「玄武ブルー」という言葉が似合うかもしれません。海がもっとも綺麗に見える時間帯は、太陽光が直角に当たる正午前後です。
それから、夕暮れ時には綺麗な夕焼けを楽しめます。遠く向かい側にある島「西嶼(シーユー)」に太陽が沈んでいき、あたりには薄紅色の空が広がる様子はとても幻想的です。
風櫃にやって来たらぜひ、玄武岩とこの海と空の色を楽しんでくださいね。