台湾には、生きる化石カブトガニがいるって本当?
野生のカブトガニ、見たことありますか?
ぼくはあります。そう、ここ澎湖(ポンフー)ならね。
澎湖(ポンフー)にはまだまだいるカブトガニ
カブトガニは、2億年以上もほとんど姿を変えていないことから「生きる化石」とよばれている海洋生物です。
日本では80年代ごろまではよく見かけられたそうですが、今ではほとんど目撃されず地域によっては天然記念物に指定されています。
台湾でも昔と比べると数が減っていますが、金門、そして澎湖で比較的多く見られるそうです。
カブトガニの保護について勉強しました
今回は、そんなカブトガニの保護に関する授業に参加してきました。
午前中は座学で、午後は実地研修でした。
講師は台湾からやってきた(澎湖では台湾本島のことを台湾と呼びます)大学教授で、定期的にこうした授業を
なんとなくカブトガニのことは知っていましたが、絶滅危機種になったのは2019年で意外と最近なんだなとか、澎湖でカブトガニの捕獲が禁止されたのは2021年の3月と超最近であることにビックリしたり、ワクチンや医療器具の検査のためにカブトガニの血が使われていたり、それも献血みたいな感じで生きている状態でしているなど、知らないことがたくさんありました。
さて、カブトガニには出会えるのか?
さて、午前中の授業が終わったら実際に干潟に行ってカブトガニの調査です。
事前に調査方法を授業で習い、現地では3つのグループに分かれましたが、開始5分くらいでみんな好き勝手にカブトガニを探していました笑
カブトガニは干潟の水たまりでよく見かけられます。
探し方のコツとしては、カブトガニが這った跡を探すことです。
他の生物とちがって、這った後には3本の線が残るのが特徴なのですが…。
一方で海に詳しいガイド仲間は次々に発見していきます。なんで? まあこういうのは慣れですよね…。
カブトガニの這った跡をよく見ると、泥に半分埋もれたカブトガニが見つかるので、まずはそこに赤い旗を立てます。
その後、先生と共にカブトガニのサイズを測定し放すという作業をしました。
2時間で14匹以上のカブトガニを発見!
今回は30人ほどが参加し、2時間くらいで14匹のカブトガニを発見しました。
なんだかんだ言って見つけられないオチかと思っていたので、こんなに普通に見つかるとはビックリしました!
赤い旗を立てた時にはいたけど、その後見つからなかった分を含めると20匹以上は見つけていたのではないでしょうか。
ちなみに多い時には30匹くらい見つかるらしく、毎年カブトガニの繁殖期の後の5〜7月ごろに調査しているそうです。
カブトガニの成長は、ゆ〜っくり。
ちなみに台湾のカブトガニが繁殖できるようになるまでは20年くらいかかるらしく、こうした干潟には7〜8年くらい暮らしているようです。
今回見つけたなかで最大のものは40ミリくらいのカブトガニでしたが、この大きさでやっと5歳くらいなんだそう。
卵の時期や孵化した直後は鳥や魚に食べられてしまうこともあるそうですが、ここまで成長すれば固い甲羅に覆われているので天敵はいません。
4億年も繁栄したカブトガニが急減している理由は、人間だった。
それではなぜ数が減っているのでしょうか?
理由はやっぱり私たち人間なんですね。カブトガニを畑の肥料にするためだったり、一部の地域ではカブトガニの血を採るために大量に捕獲していたり、繁殖場所である干潟をコンクリートで埋めてしまうなどの活動が原因です。
何億年もずっと生きてきた生物を絶滅危機にまでおとしいれるとは…、人間怖すぎじゃないですか?
カブトガニは私たちの命を守るワクチンや医療器具の開発に不可欠であり、海の健康状態を表す指標の1つでもあります。
カブトガニたちが安心して暮らせる海の環境、これからも守っていきましょう。
おまけ
他にもカニさんやエビさんもたくさんいましたよ。