澎湖(ポンフー)最大のマングローブ林がある青螺湿地は生き物の宝庫
澎湖(ポンフー)で最大の湿地であり生態系豊かな貴重な地域
澎湖には山がないので生態系にあまりバリエーションがないと思うかもしれません。しかし、澎湖には真水が少ないにも関わらずいくつかの湿地があります。
そして、今回ご紹介する「青螺(qīngluó|チンルオ)湿地」は、221ヘクタールもある澎湖で最大の湿地です。
青螺湿地で特に注目したいのがマングローブです。マングローブは日本では九州の離島や沖縄地方でしか見ることができない珍しい植物で、海水と淡水が入り混じる汽水帯に生息しています。
マングローブは通常は植物が棲息できない場所に森を構成するため、多種多様な生物の住処を作る働きや、水の浄化作用、さらには津波の軽減など幅広い役割を持っています。
一度壊れかけた生態系がマングローブの植林で復活
青螺湿地はかつて魚の養殖場があり、そのせいで生態系が失われかけてしまいました。
そこで1995年にその会社が営業を停止した後に、4種類のマングローブを植えることでマングローブ林の復元に挑戦し、現在では見事に澎湖最大のマングローブ林を形成するようになりました。
また、青螺湿地には実に313種類もの植物と52種の鳥類が生息していることが発覚しています。
さらに、渡り鳥の中継地点や繁殖地にもなっていることから、澎湖の中でも極めて生態系が豊かで貴重な場所であると言えます。
2007年には国家級湿地として認定され保護されています。
渡り鳥が特にたくさんやって来るエリアには渡り鳥を観察するための施設も用意されており、保護区には立ち入りができないようになっているので、野鳥好きにはたまらないスポットと言えるでしょう。