澎湖でしか見ることができないお寺の行事とは?

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日本では地震や豪雨、猛暑などで大きな被害が出ており、被害に合われた方々には心よりお見舞い申し上げます。

澎湖(ポンフー)の方はどうかと言いますと、台風のことを心配されてくれる方もいらっしゃるのですが、基本的に澎湖に台風が直撃するということはめったにないです。

そのため、台風が台湾を直撃しても澎湖は風と波がちょっと強いだけでカンカンに晴れていたりします。ご心配いただいた方にはお礼申し上げます。

暑さについてですが、澎湖は周りに海があったり山が一切なくて風通しが良いからか、台湾や日本では35度を超えるような日でも、澎湖は割と涼しかったりします。

実際、観測された気温で35度を超すということはあまりなく、夜は28度前後で、しかも風があるので外は過ごしやすいんですよ。

さて、そんな澎湖では真夏にもかかわらず、連日のように廟會(ミャオフエ=お寺に関する行事)が行われています。澎湖の人は信心深いだけでなく、お寺の数そのものが多いので、人々の生活は神様を中心に回っていると表現しても大げさではありません。

先日は涼傘手として、馬公市の火燒坪(光明里)にある「凌霄寶殿」というお寺の「包天子出巡平安繞境」のお手伝いをしました。

澎湖でしか見ることができないお寺の行事とは?

「包天子」は神様の名前で、中国に999年から1062年に実在した政治家の「包拯(ほうじょう)」が神格化されたものです。「包公」と呼ばれるのが一般的なようですね。

包拯は中国の歴史上最も清廉潔白だった政治家として知られており、中華圏では誰でも知っている存在なんだとか。ルルに聞いてみたら当然のように知っていたので、本当にそうなのでしょう。

「出巡平安繞境」というのは、一年の平安を祈るために神様がお神輿に乗って集落を廻ったり、関係の深いお寺に挨拶に行ったりすることです。日本でもお祭りの日にはお神輿が出て町中を練り歩きますよね、それと同じようなものです。

「涼傘(リャンサン)」というのは、澎湖の伝統芸能で、その名の通り「涼傘」つまり日傘を使ったパフォーマンスです。神様がお神輿に乗って出かけるときは必ず涼傘もいっしょに出かけます。だって日傘がなかったら暑いですからね。

涼傘は元々、皇帝などの位の高い人が出かける時にお付きの人が持っていたものですが、澎湖ではそれが転じて神様にお使えする人が持ち、そして神様に挨拶をするためのパフォーマンスにも使われるようになりました。

このパフォーマンスのことは「踏涼傘(タリャンサン)」と言って、澎湖独特の文化です。そして、その踏涼傘をする人のことを「涼傘手(リャンサンショウ)」と言います。

澎湖でしか見ることができないお寺の行事とは?

涼傘の文化自体は台湾にもありますが、台湾の涼傘は澎湖の人が伝えたものです。また、踏涼傘自体がうまく受け継がれていないため、台湾のお寺には涼傘手がいない場合が多いため、台湾の神様が澎湖にお参りに来るときは澎湖の涼傘手がお手伝いをすることも多いです。

踏涼傘は各村ごとに流派があったため、昔はお神輿の先頭を歩き、神様にパフォーマンスを見せる涼傘手はまさにその村の代表でした。

ですから、涼傘手の良し悪しでその村の地位が決まっていたんですね。今では多くの流派が失われてしまっていますし、涼傘手自体が減ってしまったため、そういった考え方はなくなってきました。

が、数少ない涼傘手のなかにも上手な人(老師や師匠または師兄にあたる存在になります)というのは限られているため、新人にはなかなか出番が回ってこないんですね?

澎湖で一度でも廟會を見たことがある方は、今度違う廟會に行ってもたぶん同じ人が涼傘を回していることに気付くはずです。

といっても、いつまでも同じ人がやっていたら後継が育たないし師匠が大変なので、師匠の中には積極的に新人に涼傘を任せる人もいます。

澎湖でしか見ることができないお寺の行事とは?

そんなわけで、今回は運良く包天子出巡平安繞境の涼傘手を務めさせてもらえました。朝早く出かけて炎天下のなかを歩き、踏涼傘をするので結構ハードです。ルルもたまたま仕事が休みだったので付き合ってくれました。

朝7時に集合場所に行くとすでにたくさんの人が集まっており、間もなくして儀式が始まりました。今回のお寺「凌霄寶殿」はものすごく小さなお寺なのにも関わらず、本格的なものだったので驚きました。

なにせ日本で言う長屋の1つがお寺になっているという状況なんです。いわゆるお寺があるのではなく、一般家庭の1階のリビングがお寺になっているというなかなかシュールな状況です。

しかも儀式を観察していたらなんと、女性の「乩童(ジートン=神がかりした人のこと)」が出てきたんですよ。台湾、特に澎湖では今でも神がかり現象がよく見られるのですが、年々数は減ってきているので、小さなお寺に乩童がいるのはちょっと驚きでした。でも乩童がいるから小さなお寺でも大切にされていると考えた方が自然かもしれません。

包公自体は男性なので、その乩童が女性というのも余計に驚いたポイントだったのですが、そういうこともあるんですね。

澎湖でしか見ることができないお寺の行事とは?

さて、今回は凌霄寶殿単独の廟會だったので割とシンプルでした。お寺のリフォーム記念などだとあちこちのお寺から神様がお祝いに駆けつけるため、お神輿が20基以上になることもあるのですが、今回は3基だけ。なので涼傘も3つだけです。

お寺を出発した3基のお神輿は、周辺にお寺に到着する度に神様に様々なパフォーマンスを披露します。涼傘以外にも、八家将という神様に扮した人や、太鼓などを披露して神様に喜んでもらいます。

澎湖でしか見ることができないお寺の行事とは?

パフォーマンスが終わったら、神様が乗ったお神輿が3回お参りをして次に進んでいきます。これを延々と繰り返します。午前中は凌霄寶殿に比較的近いお寺に行き、午後からは馬公市街地のお寺に行きました。

こうやって廟會に参加するといかに澎湖にお寺が多いかがよく分かります。午前中お寺とお寺の距離があるのでその間に休憩できたのですが、馬公市街地はもう、全然休憩できないです?

ま、今回は新人も含めてたくさん涼傘手が来たので交代でするんですけどね。ちなみに新人は位の高いお寺やギャラリーの多いお寺ではやらせてもらえません?

全て終わって元のお寺に戻ったのは午後4時頃。これは…、いい運動になりました! また、他の人の本番の踏涼傘もたくさん見ることができたので良い勉強になりました。師匠達はやっぱり上手だなぁ。

澎湖ではこのような廟會がよく行われています。もし澎湖で爆竹や花火の音がたくさんしていたら音の出ている方向に行ってみてはいかがでしょうか? 廟會を見学するとより深い澎湖の世界を覗くことができますよ。

全てではありませんが、ラブポンフーのイベントカレンダーには廟會も掲載していますので、気になる方はそちらもチェックしてみてください。

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▲ 当日の廟會の様子をムービーでもご覧ください!

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