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二崁(アーカン)の神様を迎え入れる儀式「入火」

二崁(アーカン)の神様を迎え入れる儀式「入火」

先日2016年12月29日に澎湖(ポンフー)のなかでも一番伝統的な町並みを残していることで有名な「二崁村」のお寺「二興宮」で入火が行われました。二興宮は二崁村の入り口にある立派なお寺で、今年新しい廟にリフォームされました。入火とは、この新しいお寺に神様を迎え入れるための儀式です。こんな機会はめったにないので見学に行ってきました。

見たことのない儀式

朝の9時15分ごろから儀式が始まるということで、その少し前に到着すると、すでにたくさんの人がおり入火の準備は万全でした。澎湖にある大きなお寺の前には必ず広場があるのですが、その広場に5つの組み木が置かれ、お寺の近くでは伝統的な帽子をかぶった人が2人なにやら儀式めいたことをしています。

また、神様を乗せたお神輿のようなものを肩に乗せた人々もフラフラと歩いていました。きっと意味があるのでしょうが、ビシッとしているというよりはゆらゆらと動いておりとても不思議でした。

太鼓やドラの音が鳴るなか、先ほどの2名の村人が舞を一通り踊り終えると、ついに組み木に火が灯されました。

この日は強風が吹いていたこともあり、組み木はあっという間に盛大に燃え上がります。木を組んでいるだけなのに最後の最後まで燃え崩れることがないのも奇妙でした。

獅子の開眼

組み木が燃え尽きるといよいよ寺院の両脇に置かれた獅子の開眼です。獅子は何週間も前から赤い布で顔を覆われていましたが、それがついに外され、そこに舞を踊っていた年配の男性が筆で眼を描き入れます。眼以外のいくつかの場所にも点を描いていたのですが、何か重要な意味があるのでしょう。右側の獅子の開眼の後に左側の獅子にも目が描き入れられました。

それが終わると、2人の男性が大きな剣を持って舞を踊ります。しばらく舞が続いた後に、燃え尽きた組み木の上に大量の塩が撒かれ「塩の中に宝物があるから、お寺の扉が開いたら探してごらん」という声かけが。どうやら最後に宝探しというお楽しみが待っているようです。

そして儀式はいよいよフィナーレに。年配の男性が封印されたお寺の門の前で、様々な印を組んだり、お酒(ガオリャンでしょう)と思われるものを吹き、ついにお寺の門が開きました。それと同時に、お寺の前に敷かれた見たこともない大量の爆竹が一気に鳴りました。

耳をつん裂くような大音量ともうもうと上がる煙の中、神様を乗せた2台のお神輿がお寺に走って突入。この時はあまりの爆竹の激しさに耳を塞ぐことしかできませんでした。

最後の宝探し

爆竹が鳴り終わると、みんな一斉に塩が撒かれた場所へ。探してみると中から焦げた1元玉が。燃やす前から組み木の中に仕込んでいたんですね。なかなか探すのが大変で、ぼくは1枚だけ、妻は2枚だけ見つけました。これはお守りにしたいと思います。

ほとぼりが冷めた頃にお寺の中に入ると、そこには空っぽの空間が。台湾のお寺は外見も中身も豪華絢爛の極歳色なのがお決まりなのですが、神様もまだ安置されておらず内装も立派な木彫りはあるものの色は何も付いていませんでした。

それはそれは、とても不思議な空気が流れていました。最後に、県知事も含め村のお偉いさんがお参りをし、儀式は終了しました。おそらく、今後は神様を入れたり内装に色を塗ったりとまだまだ色々な儀式が行われるものと思われます。

一見の価値あり

世界中、どこにあるお祭りも不思議でユニークです。今回の入火の儀式はまさにイメージしていたような中華的な儀式で、もちろん初めて見たので感動的でした。お寺の建て替えはそうそう行われることではないので、大変貴重な体験をすることができました。と思ったのですが、澎湖には200近い寺院があるので毎年いくつかの廟で入火が行われているようです。

皆さんも澎湖にいらっしゃる時にチャンスがあれば、ぜひこうした儀式を見られると感動することでしょう。

About The Author

宮坂大智

村おこしNPO法人ECOFF代表理事。趣味は荷物のパッキング。老け顔なので10代の頃からよく30代に間違われていた。と思ったらもう30代になっていた。基本、自宅で仕事をしているので近隣住民からはヒモだと思われているのが最近の小さな悩み。

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