外按にある澎湖(ポンフー)最大の平安橋から夜景を眺める

澎湖(ポンフー)外垵の夜景が美しい元宵節

外垵(wài àn|ワイアン)は、馬公市内から車で約1時間、澎湖(ポンフー)本島から陸路で行くことのできる場所としてはもっとも遠いところにある村です。

外垵は漁業が盛んな村で、澎湖で漁船がいちばん多い村だとも言われています。

ふだんは田舎の小さな漁村といった雰囲気の村なのですが、元宵節になると外垵の雰囲気は一転し、誰もが訪れたくなる観光名所になります。

そこで今回は、外垵の元宵節をご紹介します。

澎湖(ポンフー)外垵の夜景が美しい元宵節

赤い提灯と漁船の光が作り出す絶景

元宵節になると観光客はもちろん、地元の人も外垵に行くのを楽しみにします。その理由は、元宵節らしい赤い提灯と、港に停泊した漁船の灯り、そして花火が生み出す美しい光景です。

澎湖(ポンフー)はお寺が大小合わせて198ヶ所もあり、元宵節の間はそのほとんどで何かしらの行事が行われます。

行事の大小は、村の人口やお寺への寄付によって毎年変わりますが、外垵は毎年盛大に元宵節を祝っており、漁船の灯りをつけて港をライトアップする行事は30年もの歴史があります。

澎湖(ポンフー)外垵の夜景が美しい元宵節

外垵の元宵節イベントは旧暦の正月15日から17日までの3日間行われ、漁船のライトアップは毎晩7時から10時まで見ることができます。

8時になると港から花火が打ち上げられ、外垵は漁火と花火の光に美しく彩られます。

※年によっては日時が変更される場合もございますので、ご注意ください。

澎湖(ポンフー)外垵の夜景が美しい元宵節

澎湖(ポンフー)最大の平安橋から絶景を眺め今年の安息を願う

光り輝く港のそばには夜市があり、お祭り気分を存分に味わえます。そして夜市の先には大きな「平安橋」が。

平安橋は渡るとその年一年を安息に暮らすことができると言われている橋で、外垵に作られる平安橋は澎湖で最大のものです。

そのため高さもあり、平安橋の上からはライトアップされた漁港がよく見える絶好の写真スポットとなっています。

澎湖(ポンフー)外垵の夜景が美しい元宵節

平安橋の中ほどには小さなお社があり、中には神様が安置されています。

平安橋は外垵以外のお寺でも見ることができますが、平安橋の上に安置されている神様はお寺によって異なりますので、平安橋を渡るときは神様を拝んでみてください。

平安橋を渡り終えるとお賽銭箱があります。普通はここには気持ちを入れるのですが、外垵では100元を入れるとくじ引きができました。

その他のお寺でも様々な例外がありますが、基本的にはゆで卵をもらえることが多いです。

澎湖(ポンフー)外垵の夜景が美しい元宵節
澎湖(ポンフー)外按に現れたジートン
澎湖(ポンフー)外垵の夜景が美しい元宵節
澎湖(ポンフー)外按でのパフォーマンス

お寺では伝統的な儀式から現代的なものまで様々な行事が

平安橋を渡りきるお寺の中庭に入ります。この中庭では伝統的な儀式のほか、地元の大人や子どもたちによる太鼓やダンスなどのパフォーマンスを見ることができます。

旧正月の16日、つまり元宵節の2日めに行ったときは、たまたま神がかりがあった日でした。

日本では神がかりといっても信じることができないかもしれませんが、台湾では今でも神様が人間の体に乗り移ることがよくあります。

この現象は「乩童(ジートン)」と呼ばれ、神様が乗り移った人は、トゲがたくさんある鞠のようなものや剣で自分の体を傷つけたり、踊ったりし、最後に神様からの預言を伝えます。

今回は2本のナイフを持った老人がジートンになっており、お寺で預言を終えた後、ふだんは人間は通ることが許されていないお寺の真ん中の扉から中庭に出てきました。

澎湖(ポンフー)外垵の夜景が美しい元宵節
神様に挨拶をする武轎と涼傘
澎湖(ポンフー)外垵の夜景が美しい元宵節
武轎に乗った乩童(ジートン)

その後、ジートンは文轎(ウェンジャオ)というお神輿のようなものに乗り、外にあった他の文轎と武轎(ウージャオ:こちらもお神輿のようなものですが、昔から澎湖にあったものではなく10年ほど前から作られるようになったもので、文轎にある屋根が無いのが特徴です)が中庭に祀られている神様と平安橋に挨拶するのを待ち、自らも同じように挨拶をしてお寺の外へと出て行きました。

この間、異様で不思議な空気が漂っていたことは言うまでもありません。なお、3つのお神輿は外垵の村を一周してまたお寺に戻りました。

澎湖(ポンフー)外垵の夜景が美しい元宵節
子ども達による可愛らしいダンス
澎湖(ポンフー)外垵の夜景が美しい元宵節
澎湖(ポンフー)外按の元宵節を見れてご満悦のボランティアさん

また、翌日には太鼓と子ども達の可愛らしいダンスを見ることができました。ジートンが出るかどうかは文字通り神のみぞ知るものですが、毎日催しがありますのでいつ行っても楽しめること間違いなしです。

澎湖(ポンフー)外垵の夜景が美しい元宵節
澎湖(ポンフー)外按の元宵節の夜景

外垵の絶景を眺めるなら三仙塔で

さて、地上の熱気を味わった後は外垵を見下ろしてみましょう。

外垵の村に入る手前には灯台に続く道が有るのですが、そこを進むと左手に日本時代に作られた「餌砲」があります。

ちなみに餌砲は、大砲に似せて作られた偽物の置物です。これは戦争の際に敵にわざと攻撃させて本物の大砲を守るために作られたものです。

その餌砲の近くの道を左に入ると外垵を見下ろす三仙塔という3つ並んだ石塔があります。

この三仙塔は、外垵を守るために作られたもので、年代は不明です。

守り神というだけに外垵を見下ろす絶好の場所にあるため、ここからは光り輝く外垵を一望できます。

特に花火が上がっている時には花火を上から見ることもできるので感動すること間違いなしです。

  • 場所:澎湖縣 西嶼郷 外垵溫王廟
  • 日時:旧暦正月15日〜17日 夕方から午後11ごろまで
    • 漁船のライトアップ:午後7時〜午後10時
    • 花火:午後8時
    • 通行規制:午後6時30分以降は外按の住民以外は車で入れなくなります。その場合は手前の駐車場に車を停めて歩くことになりますのでご注意ください。
  • 注意:上記情報は2017年の元宵節に基づくものです。2018年以降は異なる場合がございます。
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