澎湖(ポンフー)で引き取った愛犬「たぷり」と台湾の保健所事情
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早いもので我が家に愛犬「たぷり」がやってきて1年になりました。澎湖に引っ越す時から、キッチンがあって犬が飼える部屋という条件で部屋を探し、知人のつてのおかげでなんとかそのような物件が見つかったのは良かったのですが、いざ犬を飼うとなると少し勇気がいりました。
ぼくもルルも実家で犬を飼っていたのですが、うちの実家の犬は高齢で亡くなっており、ルルの実家の犬は2匹いたのですが、2匹とも病気と寿命で亡くなってしまいました。犬は可愛いけれど、飼うのであれば責任も伴うし、いつか別れの時だってやってきます。
それにまだ澎湖での生活にも慣れていないうちに犬を書い始めても大丈夫だろうかという心配もあったのですが、二人とも大の犬好きなので移住してから1ヶ月で犬をもらうことに決めたというわけでした。
保健所で引き取った「たぷり」
もちろん、犬を飼うのであればペットショップで買うつもりはありません。澎湖にも野良犬や野良猫が収容される保健所があるので、そこに行って犬を引き取ることにしていました。
ぼくたちは空港の近くにある「烏崁流浪動物收容中心動物」に行き、「たぷり」と出会いました。ちなみに名前は二人が飼っていた犬の名前から一文字ずつもらってつけたものです。なので、台湾人にも日本人にも変わった名前だと思われているようです(笑)
烏崁流浪動物收容中心動物には常に80〜100匹の犬や猫が収容されているのですが、2016年の1月から10月までの統計によると収容された874匹のうち351匹、およそ40%しか引き取られなかったそうです。これは台湾全国平均の74%と比べると半分ほどの数字です(出典:縣府重申對浪浪 2月起零撲殺)
犬猫と澎湖への移住者の関係
澎湖は人口も少なく、田舎の方では過疎も進んでいるため引き取り手の数が不足しているということなのでしょう。澎湖の物件探しのFBグループや掲示板を見てみると、ペットOKの部屋を探している人が目立ちます。一方でペットOKの大家は非常に少ないのでなかなかマッチングしません。
澎湖は過疎化が進んでいると思われがちですが、実は2016年には人口が2,000人ほど増加しています(出典:賴揆:打造澎湖成為國際、智慧、綠能觀光島)もちろん、離島や田舎の人口は流出が激しく、日本の離島よりも悲惨な状況の場所もあります。しかし、馬公市内に限っては移住者やUターン移住が増加してきており、必要とされている家や部屋も少なくありません。
特に台湾人は犬や猫が好きな人が多いので、そうした移住者がペットOKの部屋を探して犬や猫を飼いたくなるというのも自然な流れでしょう。
たぷりを散歩させているとよく感じますが、澎湖は本当に犬や猫、特に犬を飼うのに適した環境だと思います。暑ければ海で泳がせることもできるし、海が苦手な子でも砂浜を駆けまわることができます。海以外にも空き地が多く、人が少ないのでリードを離しての散歩場所にも事欠きません。
なのに、犬や猫を飼いたくても大家さんが許可してくれないから飼えない…。というのは大変残念なことだと思います。
台湾はアジアで2番目の犬猫の殺処分禁止国家
なお、台湾は2017年2月6日から収容動物の殺処分を禁止しているので、引き取られなかった犬や猫たちが殺されてしまうわけではありません。このように犬猫の殺処分を禁止するのはアジアでは台湾はインドに次ぐ2番目の国だそうです(出典:零撲殺政策今正式上路 亞洲第二執行國家)
ちなみに、日本では2016年に55,998匹もの犬と猫と殺処分されていました(出典:統計資料 「犬・猫の引取り及び負傷動物の収容状況」)
もちろん、殺処分禁止したのはいいけど、保健所に溢れる犬猫たちはどうするのか? 収容できなかった野良犬や野良猫はどうなるのか? という問題もあります。法律が施行されてから1年経っていないので、今は様子見でしょう。
トルコでは野良犬は収容せずに狂犬病ワクチンだけを打って野良犬のままにしておくそうです。犬や猫は人間がいないと暮らしていけない動物ですから、これから私たちはお互いにどのように関わっていくのか、真剣に考えないとならないかもしれませんね。
犬猫の福利厚生も充実?
また、澎湖は離島ということもあり、犬や猫に対する福利厚生もしっかりしています。例えば、年に何回か去勢や避妊手術を無料で受けられる機会がありますし、狂犬病の注射も安く受けられる機会があります。本人たちにしてみれば去勢避妊手術も注射も決してありがたくない福利厚生なのでしょうが。
台湾は一時期狂犬病が根絶されたので狂犬病注射をしなくても良い時期があったのですが、近年、野生のタヌキから狂犬病ウイルスが発見されたため、現在は狂犬病の注射は飼い主の義務となっています。たぷりも引き取った時と、ついこの間きちんと狂犬病の注射を受けましたよ。
いつか「たぷり」の兄弟に会えますように
初めて出会った時はまだ3ヶ月の赤ん坊だったたぷりでしたが、今ではすっかり成長しました。ただ心配なのは、一緒に保健所に預けられたという他の兄弟たち…。その頃はまだ殺処分禁止になっていなかったので、もし飼い主が現れていなければもしかしたら…。
澎湖は狭いし、たぷりとそっくりな犬を見つけたらきっと気づくはずなので、いつか兄弟にバッタリ出会える日が来ることを祈っています。
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