漂着ゴミで元宵節のカメのオブジェ作り

元宵節(ランタンフェスティバル)の時期が近づくと、澎湖(ポンフー )のお寺では巨大な亀のオブジェ作りが始まります。

元々は中国語で良い意味を表す言葉と似た名前の果物をかたどったお餅を祀って一年の平和を願っていましたが、いつの間にか亀の形に変化し、今ではお餅ではなくお米を使って作る「米亀(ミーグエ)」が主流になりました。

もちろん、台湾でも亀は子孫繁栄や長寿などを象徴するとても縁起の良い生き物なんですよ。

こうした亀のオブジェは、儀式によって神格化され、元宵節の3日間(旧暦1月15日〜17日)だけお寺に祀られます。

そして、元宵節が終わるとポエ占いをして神様に選ばれた人がこの亀を家に持ち帰り、来年は米を増やしてお寺にお返しする「乞亀(チーグエ)」というユニークな風習があります。

※ポエ占い:一面が膨らんでおり、反対側が平坦になっている半月型の「ポエ」と呼ばれる神具を用いた占い。2つで一組になっており、床に落とした際のポエの形状によって自分の行こうとしていることが正しいか、間違っているかを占うことができる。片方が膨らんだ方を上にし、もう片方が平らな方を下にした状態が縁起が良い「聖杯」とみなされ、他の状態は良くないとされる。

現在は地域おこしの意味合いも含めて、その地域ごとの特色を出した亀が作られることも多くなりました。

今回、ラブポンフーの2人は「南寮(ナンリャオ)」という村の友だちの企画に参加し、漂着ゴミの「浮き」を使った亀作りのお手伝いをしました。

大小様々な形状の浮きを加工して、亀の形を作っていきます。

漂着ゴミで元宵節のカメのオブジェ作り

これは亀の甲羅に乗せる縁起の良い四字熟語を作っている様子です。

漂着ゴミで元宵節のカメのオブジェ作り

ちなみに、なぜ南寮では浮きを使った亀を作ることになったのかというと…、そのきっかけは年齢95歳!のこちらのおじいちゃん。

漂着ゴミで元宵節のカメのオブジェ作り

もう半世紀以上も浮きを使ったアート作品を作り続けている、まさに「浮きアート」のお師匠さんがいらっしゃるのです。

そんなこともあり、南寮には浮きを使ったアートが至るところにあるので、浮きアートの村のような様相を呈しています。

であれば、南寮では浮きを使った亀を作るべきだろう! ということで村長さんや若者たちがいっしょになって作ることになったのです。

私達が到着した頃にはすでに胴体がほとんど完成しており、お昼をすぎる頃にはすっかり完成しました。

この亀は来年もその次の都年もずっと使っていくつもりとのこと。なんだかすごいものを作った気分です!

さて、そんな元宵節の夜がやってくると、各地で趣向を凝らしたイルミネーションが点灯され、宝くじやナゾナゾ、更にはLEDでピカピカになったお神輿が炎を吹きながら練り歩くなど様々なイベントがたくさんのお寺で行われ大いに盛り上がります。

このように澎湖が一番にぎやかになるとも言える元宵節なのですが、残念なことに日本人にはあまり知られていないのが残念ですね。

確かにこの時期の澎湖は風がとっても強く、南の島のイメージはほとんどないかもしれませんが、その分ディープな観光を楽しむことができます。

澎湖ならではの元宵節、来年はぜひ見学に来てみてはいかがでしょうか?

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